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津木野由芽さんの推薦文一覧
罪が乙女を気高くし、秘密が少女を育む

 肺を患った思春期の女の子たちが棲む、<寄宿舎>と呼ばれる森の修道院。そこに君臨する、罪深い《王女》は誰か。頑丈に扉を閉ざしたさきにある秘密を、鍵穴から覗いてごらん。その覚悟があるならば。罪が乙女を気高くし、秘密が少女を育む。《しこまれた王女》へと。


 正直なところ、わたしはこの物語に、頭を殴られたような衝撃を受けました。

 傲慢にも強く感じたのです。「これはわたしのための物語」だと。


 少女とはこういうものだった、ということを、わたしは想い出しました。

 こうあるべき、こうあってほしい、こうあらねばならないものだった、と目が覚まされる思いで放心しました。

 これは少女と乙女の《秘密》の物語です。もっとも罪深い者こそが、<寄宿舎>の女王となる。

 では、罪とはなにか?

 グラニュー糖のように、甘く、白く、ざらざらとしていながらさらさらともしている。ひと口舐めたらその味が忘れられない。まっしろな罪の味。それはこの書物に綴られる言葉の味と、よく似ています。


 わたしも《少女》に憧れる者のひとりとして、自分だけの秘密をもち、自身を育まなければいけない。そうつよくつよく思わせてくれた本です。名刺がわりにして、「これがわたしです」と大好きなひとたちに贈りたい、そんな気持ちにすらなりました。



 あなたもきっと、あなただけの《秘密》を、この書物のなかに見つけることでしょう。



タイトル新装版/寄宿舎の秘密
著者伊藤裕美
価格800円
ジャンルファンタジー
詳細書籍情報