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- ゆめびと
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02.09.2012 post
「薄曇」
薄いコーヒーで水増しする午後
薄曇の空
偽りばかりが充満する部屋
エアコンの温風もやさしくはない
起動しっ放しのパソコンの前で
ひとしきり文字を入力する日々
0と1で構築される世界に没頭する
星々が点滅する速度と競うように
駆け巡る情報たち
引き伸ばされている
延命処置をしている
ずっと
電脳世界に没頭して
文字を入力し続けて
薄いコーヒーを一日何杯飲めば気が済むのか
水増しされて本来の風味を失っている
時系列順に本来の味を失っている
そんなコーヒーばかり消費しながら
0と1の世界を蹂躙する
悪いとか良いとか
その定義は一定ではない
だから
私が入力する文字列が許容されても
少しくらい
割り込むくらい
いいでしょう?
延命処置は今日も薄いコーヒーと共に
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01.05.2012 post
「女」
私は女で在ったんですね
いつも誹謗中傷の嵐をやり過ごすことばかりに熱中して
気づいても居なかったのです
この乳房が花のつぼみのように膨らんでいることになんて
いつも自己卑下の嵐をやり過ごすことばかりに熱中して
気づかずに居ようとしたのです
この下肢から滴る赤いものはただの汚物だと教えられたので
化粧品コーナーで
下着コーナーで
アクセサリーコーナーで
立ち止まる自分を
鞭で打ちました
何百回も
何千回も
求めてはいけないと知っていたのです
女であることは生まれた時から否定されていたので
自分は女ではない生き物だと思いこんでいたので
遠い異国の地に移り住んでから
男達が手に花束を持って求愛してきたことで
気づいてしまいました
私も女で在ったんですね
もう、遅いのでしょうけれど
私も女で在ったんですね
いくら否定しても
私も女で在ったんですね
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11.04.2011 post
「かみなり」
たゆたう黒い海原が
突然光りの速度で引き裂かれる
轟く音の振動に
波紋が大海原を駆け抜ける
落下する涙は誰のもの?
あまりにも激しいから
私まで悲しくなってしまう
震える黒い海を見上げて
焚かれるフラッシュの数々に目を細めて
つんざく悲鳴に肩をすぼめる
家の中で独り
小さくうずくまって
おへそを隠している
大丈夫よと
やさしく抱き寄せられた過去の幻影
大声で泣き喚く海は
気まぐれで
でも寂しがり屋なのだろう
たゆたう黒い海原に
私は星を探している
窓際に吊るしたてるてるぼうず
明日は笑ってくれるかい?
穏やかな波をさざめかせる秋の海が好きだよ
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11.04.2011 post
『夏の終わり』
真夜中の擬似太陽
虫たちは群がって
夏の終わりを悼んでいる
コンビニエンスストアの
その目映い擬似太陽に
私も吸い寄せられて
夜の夜中に家を空ける
夏の終わりが痛ましいわけではないけれど
秋風の余韻はあまりにも情緒を狂わせる
空が高く高く遠く遠くなってしまう
群がる虫たちが一斉に撃墜されて
私の心の臓腑も打ち抜かれてしまった
秋の夜長
独りという現実に耐え切れず群れた
それなのに誰も彼もが知らん振り
虫たちと一緒に群がっていた私
独り堕ちた
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