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   - Atsushi


最終更新 06.23.2012




06.10.2012 post

 I aka taT



苛烈な雨粒の軍勢は去った
磐石な森林の民草は立った

叩きつけられ
抑えつけられ
猶 息を吹き返す

芳しい腐葉土の匂いが立ち籠める
麗しい草木の緑が冴え渡る

闘争だからと馬鹿にするな



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04.10.2012 post

 コヒート、逃避行



青芝にごろり
有象無象は沈む
青空にぷかり
有象無象は沈む

澱(おり)が流れに押されて
思念をゆらりゆらりと運ぶ
刺が後ろ指に笑って
背中をちくりちくりと刺す
しかし最早わたくしの身の内になく
しかし最早わたくしの身の外(ほか)に散り
澱も刺もコヒートの残渣
or vice versa



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03.11.2012 post

 三月の空―March in the Sky―



寒い寒い空の上には
雪の精たちが帰っていました
遠くアルプスの如く白銀の丘は波打つこと果てなく
船は恐るべき速度で舐めるように翔けます

その様は猛々しい欧州の軍馬のようでもありました
かぱらかぱらと繰り返し揺れるのですが逞しくしなやかな胴がしかと私の身を支えます

目を閉じてしまうと船だか馬だかわからなくなるのですが
私を乗せたこれは
ひとたびビルディングの森を跳び出すと
あとはもうひたすらに突き進みます

いえ

ひとまず進む他ないのです

自由を求めたように見えますでしょうか
その攻撃的なフォルムはなくし物を増やすだけです
手にいれた気がしたものの実態を暴くだけです

ひとつ言っておきますと
空には何もありません
自由も夢もありません
この身一つしかありません
あるいはそれすらありえません

なんもかんもが持てる色を失って元通り
白く冴え渡ったら
陽光に輝かしい笑顔を見せる雪の精たちと踊りだします
いつまでもいつまでも
寒い寒いと空の上で身を震わすのです



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02.03.2012 post

 0.lt.div -Oh, It dives-



立ち入り禁止の屋上には誰もいない

いない

君のスカートの裾が柵の隙間から逃げ出したり

君の双眸が後れ毛に連られて彼岸へ揺らめいたり

する

した

したっけ

いない

誰もいない

僕もいられない


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